春名会計事務所

2022年1~12月

今月のトピックス 2022年1~12月

  • 2022年  1月 『既存ソフトウェアの仕様を大幅変更した場合の取得価額』

    • 今月のトピックス R4


       ソフトウェアを自社で製作した場合の取得価額は、「制作に要した原材料費、労務費及び経費+事業の用に供するために直接要した費用の額」で計算されますが、すでに所有しているソフトウェアまたは購入したパッケージソフトウェア等(以下「既存ソフトウェア等」といいます。)の仕様を大幅変更して、新たなソフトウェアを制作する場合も同様に計算されます。
       この場合、新たなソフトウェアを制作することに伴い、その制作後、既存のソフトウェア等を利用することが見込まれない場合に限り、既存ソフトウェア等の残存簿価は、その新たなソフトウェアの制作のために要した原材料費となります。
       また、取得価額については、適正な原価計算の方法によりますが、法人が原価の集計や配賦などについて、合理的な方法により継続して計算している場合も認められます。 
       

  • 2022年  2月 『死亡保険を金を受け取った場合の自社株評価』

    • 今月のトピックス R4


       1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)の計算に当たって、被相続人の死亡により評価会社が受け取った死亡保険金は、生命保険金請求権として資産に計上することになります。この場合、保険積立金や前払保険料として、その保険料(掛金)が資産に計上されているときは、その金額を資産から除外します。
       また、その死亡保険金から被相続人に死亡退職金を支払った場合には、その支払退職金の額を負債に計上するとともに、支払退職金を控除した後の保険差益について課されることとなる法人税額等についても負債に計上します。
       なお、仮決算を行わずに、直前期末における資産及び負債を基として1株当たりの純資産価額を計算する場合には、保険差益に対応する法人税額等は37%相当額によって差し支えありません。 
       

  • 2022年  3月 『利用価値が著しく低下している宅地の評価』

    • 今月のトピックス R4


       評価対象地の利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて、著しく低下していると認められる場合には、通常の評価額から、利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除して評価することができます。
       具体的には、次のような宅地が該当します。
      ①  道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、
        その付近にある宅地に比べて著しく高低差があるもの
      ②  地盤に甚だしい凹凸のある宅地
      ③  振動の甚だしい宅地
      ④  ①から③の宅地以外で、騒音、日照阻害、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの
      ただし、路線価又は固定資産税評価額が等が、利用価値が著しく低下している状況を考慮して付されていない場合に限られます。 
       

  • 2022年  4月 『準確定申告に係る還付金と還付加算金』

    • 今月のトピックス R4


       相続人が、被相続人の準確定申告書を提出した際、源泉所得税や予定納税の還付を受ける場合があります。その場合の相続人が受ける還付金と還付加算金については、税務上の取扱いが異なります。
       まず、還付金については、還付金請求権という被相続人の本来の財産として相続税の課税対象となります。還付金請求権は、被相続人の死亡後に発生するとしても、被相続人の生存中に潜在的な請求権が被相続人に帰属しており、これが被相続人の死亡により顕在化したものと考えられます。
       一方で還付加算金については、相続人の所得税(雑所得)の課税対象となり、被相続人の相続税の課税対象とはなりません。これは、相続人が準確定申告書の提出によって原始的に取得するもので、被相続人からの相続によって取得するものとは認められないという考え方に基づいています。
       

  • 2022年  5月 『住宅用建物を転貸する場合の取扱い「消費税」』

    • 今月のトピックス R4


       住宅用建物の所有者が同族会社とサブリース契約を締結するなど、賃貸人が自ら使用せず、第三者に転貸する場合があります。住宅の貸付けは、消費税法上、非課税とされており、転貸する場合であってもその契約において賃貸人が住宅として転貸することが明らかな場合には、住宅の貸付けとして非課税となります。
       またその契約において、住宅として転貸することが明らかとなっていない場合であっても、その賃借人と転借人との間で次のような契約がされている場合には、住宅の貸付けとして非課税とされます。
      (1) 人の居住の用に供することが明らかにされている場合
      (2) 人の居住の用に供することが明らかとされていないが、その転借人が個人であって、その住宅が人の居住の用に供されていないことを賃貸人が把握していない場合
       

  • 2022年  6月 『事業復活支援金と会計処理』

    • 今月のトピックス R4


      Q.4月決算法人です。4月中に事業復活支援金の申請をし、5月に支給を受けましたが、いつの事業年度に収入計上すればいいのでしょうか。
       交付決定日は不明ですが、振込手続きが完了した旨の通知書は4月に受け取っています。
      A.法人税では、ある収入の計上時期は、原則として、その収入すべき日が確定した日の属する事業年度とされています。そして、事業復活支援金については交付が決定された日に、収入すべき権利が確定すると考えられます。よって、交付決定がされた日の属する事業年度の収益として計上しなければなりません。
       交付決定日が不明の場合は、原則として、通知書を受け取った4月に収益として計上することとなります。

       

  • 2022年  7月 『少額減価償却資産の特例~当初申告要件』

    • 今月のトピックス R4


       少額減価償却資産の特例(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)とは、中小企業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合に、その事業年度中において取得した減価償却資産の取得価額の合計額300万円を限度に、全額損金算入できる制度です。この制度は、確定申告書等にこの制度の適用を受ける少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表十六(七))の添付がある場合に限り、適用されます。
       ここでいう確定申告書等とは確定申告書、中間申告書及び期限後申告書を指しており、修正申告書や更正の請求書等は含まれません。これを「当初申告要件」といいます。
       当初申告要件が課されている制度については、別表の添付を失念し、後日、税務調査等で指摘を受けたとしても、修正申告書等を提出し、新たに制度の適用を受けることはできません。

       

  • 2022年  8月 『事業所税の損金算入時期』

    • 今月のトピックス R4


       法人税法では、損金算入される租税公課とその損金算入時期が定められています。事業所税は申告納税方式による租税で、納税申告書を提出した事業年度に損金算入されます。また、更正または決定のあったものについては、その更正または決定があった事業年度に損金算入されます。
       よって、原則として未払計上が認められていません。しかし、製造原価、工事原価その他これらに準ずる原価のうちに申告期限未到来の納付すべき事業に係る事業所税を損金経理により未払計上したときは、その損金経理した事業年度に損金算入することができます。
       これは、事業に係る事業所税は、その課税標準が給与総額と建物の床面積であるところから、費用収益の対応を考慮されているためです。
       なお、仮決算による中間申告においてもこの取扱いの適用があります。

       

  • 2022年  9月 『キャッシュバックサービス(消費税)』

    • 今月のトピックス R4


      Q.販売促進を目的に商品の購入者全員に対し、キャッシュバックサービスを行いました。このときの消費税の処理方法を教えてください。
      A.売上割戻となり、消費税法上は「売上に係る対価の返還等」に該当します。
       消費税法では、事業者が販売促進の目的で販売奨励金等の対象とされる課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先に対して金銭により支払う販売奨励金等は「売上に対する対価の返還等」に該当する旨規定しています。ここでいう取引先には、消費者である商品の購入者も当然含まれるものとされます。
       一方、販売数量や販売高等に応じていない販売奨励金等は販売促進費等となり、対価性がないため「不課税取引」となります。
       

  • 2022年  10月 『入会金・会費の取扱い(消費税)』

    • 今月のトピックス R4


       入会金や会費という名称であっても、その内容は様々です。消費税法上、それらが課税仕入に該当するかどうかは、支払う先から受ける役務の提供とその入会金や会費などとの間に明らかな対価関係があるかどうかによって判定します
      1. 対価関係がない場合
      町内会費などその団体等の業務運営に必要な通常会費については、一般的には対価化性がありませんので課税仕入となりません。
      2. 対価関係がある場合
      セミナーなどの会費、宿泊施設などを利用するための会員となる入会金(返還不要なもの)は、役務の提供などの対価となり、課税仕入に該当します。
      3. 対価性があるのかの判定が困難な場合
      事業者とその団体等の双方がその会費などを役務の提供などの対価に当たらないものとして継続して処理している場合はその処理が認められます。この場合、その団体等は、その旨をその構成員に通知します。
       

  • 2022年  11月 『稼働休止資産の減価償却』

    • 今月のトピックス R4


      Q. 弊社には、生産量の調整のため稼働を休止している機械があります。その機械の減価償却は可能でしょうか?
      A. 減価償却資産は事業の用に供しているものをいいます。よって、稼働を休止している資産については、原則として償却することができません
       ただし、稼働を休止している資産であっても、その休止期間中に必要な維持補修が行われており、いつでも稼働できる状態にあるものは、減価償却資産に該当するものとして償却することができます。
       また、他の場所において使用するために移設中の固定資産については、その移設期間が移設のために通常要する期間であると認められる限り、償却を継続することができます。

       

  • 2022年  12月 『為替差損益の取扱い(消費税)』

    • 今月のトピックス R4


       消費税法では、事業者が行った外貨建取引は、消費税法又は法人税法において円換算して計上すべきこととされている金額によることとされています。よって、為替予約がある場合を除き、原則として、事業者が資産の譲渡等を行った日の対顧客直物電信売買相場の仲値(T.T.M)によるものとされます。
       このため、資産の譲渡等の対価が入金された場合や、課税仕入れに係る支払対価を支払った場合には、資産の譲渡等や課税仕入れに計上した日と実際に円貨で決済した日との為替レートの差により、いわゆる為替差損が発生します。
       しかし、消費税法においては、外貨建取引に伴う消費税については、原則として資産の譲渡等を行った日又は課税仕入れを行った日のT.T.Mで換算した円貨により金額を認識することとなり、決済時との差額は調整する必要はありません。

       

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