春名会計事務所

2021年1~12月

今月のトピックス 2021年1~12月

  • 2021年  1月 『相続財産を国や公益法人などに寄付したとき』

    • 今月のトピックス R3


       相続や遺贈によって取得した財産を国、地方公共団体、公益を目的とする事業を行う特定の法人又は認定非営利活動法人(認定NPO法人)に寄付した場合は、その寄付をした財産や支出した金銭は相続税の対象としない特例があります。
       特例を受けるには①寄付した財産が相続や遺贈によって取得した財産であること(相続等で取得したとみなされる生命保険金や退職手当金も対象)、②相続財産を相続税の申告書の提出期限までに寄付すること、③寄付先が国、地方公共団体、教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる公益を目的とする事業を行う特定の法人又は認定NPO法人であること、のすべてに当てはまることが要件です。
       適用に当たっては、相続税の申告書に寄付又は支出した財産の明細書や一定の証明書類を添付することが必要です。
       

  • 2021年  2月 『棚卸資産の取得価額 少額の付随費用の取扱い』

    • 今月のトピックス R3


       購入した棚卸資産の取得価額には、その購入代価のほか、これを消費し又は販売の用に供するために直接要した全ての費用の額が含まれますが、次に掲げる費用の額の合計額が少額である場合には、取得価額に算入しないことができます。
      ① 買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用の額
      ② 販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額
      ③ 特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要した費用の額(棚卸資産の保管費用でこれ以外のものは、取得価額に算入しないことができます)
       なお、少額とは、その棚卸資産の購入代価のおおむね3%以内の金額とされ、事業年度ごとに、かつ、種類等(種類、品質及び型の別)を同じくする棚卸資産ごとに判定することができます。 
       

  • 2021年  3月 『メール送信した契約書等の印紙税』

    • 今月のトピックス R3


       印紙税法に規定する課税文書の「作成」とは、「課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう」ものとされ、課税文書の「作成の時」とは、相手方に交付する目的で作成される課税文書については、その交付の時であるとされています。
       よって、契約書等の現物がない場合は、PDFファイル等をメール送信しても、FAXで送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはなりませんので、印紙税は課税されません。ただし、メールやFAXで送信後、契約書等の現物を別途持参するなどにより相手方に交付した場合には、課税文書の作成に該当し、現物の契約書等は課税の対象となります。

  • 2021年  4月 『マイナポイントの課税関係』

    • 今月のトピックス R3


       マイナポイントは、マイナンバーカードを取得し、IDを設定した個人がキャッシュレス決済サービスにおいてチャージなどを行った際に付与されるものです(上限5,000円分)。
       個人が、商品を購入する際に決済代金に応じて付与されるポイントで、「通常の商取引における値引き」と同様の行為が行われたものと考えられる場合には、所得税の課税対象とはなりませんが、マイナポイントは、この「通常の商取引における値引き」とは認められず、その経済的利益は一時所得として所得税の課税対象となります。
       一時所得では、特別控除額50万円を控除しますが、その年にマイナポイント以外の一時所得がある場合は、確定申告が必要になる場合があります。 

  • 2021年  5月 『親から金銭を借りた場合』

    • 今月のトピックス R3


       親と子、祖父母と孫など特殊の関係がある人相互間における金銭の賃借は、その賃借が借入金の返済能力や返済状況などから見て真に金銭の賃借であると認められる場合には、借入金そのものは贈与にはなりません
       しかし、実質的に贈与であるにもかかわらず形式上賃借としている場合「ある時払いの催促なし」又は「出世払い」というような賃借の場合には、借入金そのものが贈与として取扱われます
       また、その借入金が無利子などの場合には利子に相当する金額の利益を受けたものとして、その利益相当額は、贈与として取扱われます
       ただし、その金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、強いてこの取扱いをしなくても差し支えないものとされています。

  • 2021年  6月 『非居住者等からの土地等の購入』

    • 今月のトピックス R3


       非居住者や外国法人から日本国内の土地等を購入し、その代金を国内で支払う場合、非居住者等に対して対価を支払う際は、「所得税及び復興特別所得税」(10.21%)の源泉徴収を行い、原則として支払った月の翌月10日までに納めなければなりません。
       源泉徴収義務者には、土地等の譲渡価格の支払をする者の全てが含まれていますから、法人はもちろん個人(事業者かどうかは問いません。)でも、非居住者等に対して土地等の譲渡対価を支払った場合には原則、源泉徴収が必要です。
       ただし、個人が自己又はその親族の居住の用に供するために土地等を購入した場合で、その土地等の譲渡対価が1億円以下であれば、その個人は源泉徴収をする必要はありません。

  • 2021年  7月 『所得税 立退料を支払ったとき』

    • 今月のトピックス R3


       賃貸する建物から借家人に立ち退いてもらうために、立退料を支払うことがあります。
       その際の立退料の取扱いについては、賃貸している建物やその敷地を譲渡するために支払う立退料は、譲渡に要した費用として譲渡所得の金額の計算上控除されますが、これに当たらない立退料で、不動産所得の基因となっていた建物の賃借人を立ち退かすために支払う立退料は、不動産所得の金額の計算上必要経費となります。
       また、土地、建物等を取得する際に、その土地、建物等を使用していた者に支払う立退料は、土地、建物等の取得又は取得価額になります。
       そして、敷地のみ賃貸し、建物の所有者が借地人である場合に、借地人に立ち退いてもらうための立退料は、通常、借地権の買い戻しの対価となりますので土地の取得費になります。

  • 2021年  8月 『法人成りに伴う一括償却資産の必要経費算入』

    • 今月のトピックス R3


       Q.個人事業を法人成りします。一括償却資産を法人に引き継ぎますが、前年までに必要経費に算入されていない金額はどのようになりますか?
       A.一度、一括償却資産としたものは、譲渡等があっても3年間にわたり均等償却を続けることになっています
       一方、相続があった場合は、その取得価額のうち必要経費に算入されていない部分は、原則、死亡日の属する年分の必要経費に算入し、例外的に死亡日の属する年の翌年以後の各年分に対応する部分は業務を継承した者の必要経費に算入できます。
       したがって、法人成りの場合は、事業が廃止され、その事業を継承する人もいないので、全て廃業した日の属する年分の必要経費に算入するのが相当です。

  • 2021年  9月 『扶養控除の所属の変更』

    • 今月のトピックス R3


       夫婦間で子供をどちらの扶養親族とする(所属とする)かは、それぞれが提出するその年分の「確定申告書(期限後申告を含みます。)」や「給与所得者の扶養控除等申告書」、「従たる給与についての扶養控除等申告書」又は「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」等(以下、「申告書等」)に記載されたところによります
       また、いったんその申告書等により所属が定められた後でも、改めてその所属の異なる記載をした申告書等を、扶養親族を増減させようとする者全員が提出することにより所属の変更は可能です。
       しかし、この場合の申告書等には「修正申告書」及び「更正の請求書」は含まれていませんので、たとえば夫が子を扶養親族として年末調整を行い、妻が扶養親族を記載せずに確定申告書を提出している場合は、その後、妻が子を扶養親族にするために「更正の請求書」を提出したとしても、所属の変更は認められません。

  • 2021年  10月 『電話加入権の評価の改正』

    • 今月のトピックス R3


       社会経済の実態等を踏まえ、電話加入権の評価について通達改正がされました
       改正前は、①取引相場のある電話加入権については、課税時期における通常の取引価額に相当する金額、②①以外は、売買実例価額等を基として、電話取扱局ごとに国税局長の定める標準価額(全国一律1,500円)により評価することとされていました。
       また、特殊番号(100番のような呼称しやすい番号や42番のような誰もが嫌がる番号)については、上記①、②により評価した価額を基とし、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して、適宜増減した価額によって評価することとされていました。
       令和3年1月1日以後に相続等により取得した電話加入権については、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価することとし、特殊番号の評価については削除されました。また、電話加入権を一括評価する家庭用動産等に含めて申告することも差し支えないとされています。

  • 2021年  11月 『法人版事業承継税制の後継者要件緩和』

    • 今月のトピックス R3


       法人版事業承継税制は、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(円滑化法)」に基づく認定のもと、後継者が取得した非上場株式等について、一定の要件で贈与税や相続税の納税を猶予する制度で、「一般措置」と全株式等について100%納税を猶予する「特定措置」があります。
       相続税の特定措置では、後継者は被相続人の相続開始前から役員であることが要件でしたが、中小企業経営者の高齢化を踏まえて令和3年度税制改正において、次の場合は後継者が役員に就任していない場合であっても制度の適用が受けられる要件の見直しが行われています。
      ① 被相続人が70歳(改正前60歳)未満で死亡した場合(一般措置も同様。)
      ② 後継者が円滑化法施行規則の確認を受けた特例承継計画に特例後継者として記載されている者である場合

  • 2021年  12月 『フードバンクへ食品を提供した場合』

    • 今月のトピックス R3


       近年、企業から食品の無償提供を受け、子ども食堂などを運営する福祉団体へ効率的に食品を提供するフードバンクが確立し、通常の販売が困難となった食品をフードバンクへ提供することを検討する企業も多くなっています。
       一般的には、法人が食品を寄付した場合には、その寄付は一般の寄付金として一定の限度額までしか損金に算入することができません。
       しかし、法人とフードバンクとの間に、提供した食品の転売等の禁止や、その食品の取扱いに関する情報の記録及び保存、結果報告などのルールを定めた合意書を取り交わすことにより、提供した食品が目的外に使用されないことが担保されており、また実質的に商品の廃棄の一環で行われる取引である場合には、その提供に要する費用は、提供時の損金の額に算入して差し支えありません。

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