春名会計事務所

2015年1~12月

今月のトピックス 2015年1~12月

  • 2015年  1月 『所得税、贈与税が課されない弔慰金の範囲』

    • 今月のトピックス H27



       法人又は個人からの弔慰金で社会通念上相当と認められるものは、所得税及び贈与税が課されないこととされています。ここでいう「社会通念上相当と認められるもの」については具体的な金額が明らかではありませんが、相続税法基本通達3-20により弔慰金等に相当する金額として取り扱われたものについては、所得税及び贈与税が課税されないと考えられます。
       相続税法基本通達3-20の取扱いは、被相続人の死亡により相続人等が受ける弔慰金等が実質退職手当等に該当するかどうか明確でないものについて、業務上死亡の場合には普通給与額の3年分相当額を、業務上の死亡でない場合には普通給与額の半年分相当額を弔慰金等(相続税は非課税)として取扱い、これを超える部分を退職手当金等(相続税の課税対象)に該当するものとして取り扱うこととしています。

  • 2015年  2月 『証券口座保管料の経費算入』

    • 今月のトピックス H27



       証券等の口座保管料は維持管理費用であり、譲渡に直接要した費用ということができないため、譲渡所得に該当する場合経費にできません。ただし、事業・雑所得の場合・販売費・一般管理費の控除が認められているため、申告年分に係る口座保守料を経費とすることができます。所得が事業所得若しくは雑所得に該当するか又は譲渡所得に該当するかは、当該株式等の譲渡が営利を目的として継続的に行われているかどうかにより判定することとなりますが、株式等に係る譲渡所得等の所得区分については次のように取り扱って差し支えないこととされています。
      ① 所有期間1年超の上場株式及び非上場株式等の譲渡による所得は譲渡所得とする。
      ② 信用取引の方法による上場株式等の譲渡や所有期間1年以下の上場株式等の譲渡による所得は、事業所得又は雑所得とする。

       

  • 2015年  3月 『遺産総額から差し引くことかできる葬式費用とは』

    • 今月のトピックス H27



       相続税を計算するとき、葬式費用は債務ではありませんが、相続により通常生じるものであるため、遺産総額から差し引くことができます。このとき遺産総額から差し引くことができる葬式費用は、次のようなものです。
      (1) 死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用
      (2) 遺体や遺骨の回送にかかった費用
      (3) 葬式や葬送などを行うときやそれ以前に火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用
      (4) お通夜などの葬式前後に生じた出費で通常葬式などにかかせない費用
      (5) 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用
      なお、香典返しのためにかかった費用や墓石、墓地の買入れ費用等、初七日や法事などのためにかかった費用は、遺産総額から差し引く葬式費用には該当しません

       

  • 2015年  4月 『商品券の発行に係る消費税の取扱い』

    • 今月のトピックス H27



       百貨店等が商品券を発行する場合、その商品券の原始発行は、資産の譲渡等に該当しないため、消費税の課税の対象とはなりません商品券について課税が生ずるのは商品券が商品と引き換えられた時点となります。したがって、商品券の発行時点で収益に計上する方法、または、商品券の発行代金を預り金として処理し、商品と引き換えた時点で収益に計上する方法のいずれの経理方法によっても、二重に課税されることはありません
       なお、法人税では、商品券を商品と引き換えた時点で収益に計上している場合、未引換券については、その発行事業年度の翌期首から3年を経過した日の属する事業年度終了時(足掛け5年目の事業年度)に収益計上することとされていますが、この未引換券の収益計上は資産の譲渡等を伴わないものであり、原則として消費税の課税の対象とはなりません。 

       

  • 2015年  5月 『離婚して財産をもらったとき』

    • 今月のトピックス H27



       離婚により相手方から財産をもらった場合、通常、贈与税はかかりません
       これは、相手方から贈与を受けたものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからです。
       ただし、分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合には、その多過ぎる部分に贈与税がかかることになります。
       また、離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります

       

  • 2015年  6月 『非居住者であった期間内の社会保険料、生命保険料』

    • 今月のトピックス H27



       海外勤務のために出国し非居住者となった者の留守宅渡しの給与から控除している社会保険料について、この者が帰国し、年末調整時に居住者となった場合でも、非居住者であった期間の分は、社会保険料控除の対象とすることはできません。社会保険料控除や生命保険料控除は、居住者がその年に支払ったものが控除の対象となるためです。
       なお、生命保険料は、その支払が居住者期間内に支払われたものか、非居住者期間中に支払われたものかで判定するので、年払の場合には、その支払の時点で居住者であれば支払額の全額が生命保険料控除の対象となります
       ただし、前納保険料の場合には、あん分計算することとなっているため、非居住者期間内に支払期日が到来する部分については生命保険料控除等の対象とはなりません

  • 2015年  7月 『未払の医療費と医療費控除』

    • 今月のトピックス H27




       自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が一定の金額を超える場合には、一定の金額を超える部分について所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。
       医療費控除の対象となる医療費の要件は、①納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること、②その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること、とされており、その年中に実際に支払った医療費をいいます。
       そのため、未払となっている医療費は実際に支払われるまでは控除の対象とはなりません

  • 2015年  8月 『相続税の対象となる年金受給権』

    • 今月のトピックス H27




       被相続人の死亡により取得する年金受給権については、年金の種類などによって相続税の課税が異なります。主なケースとして次の二つは、相続税の対象となります
       一つは、在職中に死亡し、死亡退職となったため、会社の規約等に基づき、会社が運営を委託していた機関から遺族などに退職金として支払われることになった年金です。この場合、死亡した人の退職金手当等として相続税の対象となります。
       もう一つは、保険料負担者、披保険者、かつ、年金受取人が同一人の個人年金保険契約で、その年金支払保証期間内にその人が死亡したために、遺族の方などが残りの期間について年金を受け取ることになった場合です。この場合、死亡した人から年金受給権を相続又は遺贈により取得したものとみなされて相続税の課税対象となります。

  • 2015年  9月 『死亡退職金の課税時期』

    • 今月のトピックス H27




       相続税法第3条第1項第2号は、相続財産とみなされる財産に関して、「被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合」と規定していますが、この規定は相続財産とみなされる財産を擬制しているに過ぎず、課税時期については、定めていないと解されています
       死亡退職金の場合、その支給の確定があれば、死亡退職金の支払請求権を取得したと考えられ、その時点で相続税の課税原因が発生しているというべきです。
       したがって、死亡退職金は、死亡後3年以内にその支給が確定すれば、実際の支払いが3年以内であるかどうかを問わず相続税が課税されることになります。

  • 2015年 10月 『源泉所得税 納期の特例の要件に該当しなくなったとき』

    • 今月のトピックス H27




       源泉所得税の納期の特例の承認を受けている源泉徴収義務者が、給与の支給人員が常時10人未満でなくなり、特例の要件に該当しなくなったときには、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出します。
       この届出書を提出した場合には、その提出した日の属する納期の特例の期間内に源泉徴収した税額のうちその提出の日の属する月分以前の各月に源泉徴収した税額は、その提出の日の属する月の翌月10日までに納付し、その後の各月に源泉徴収した税額は、通常の例により支払った月の翌月10日までに納付します。
       例えば、3月中に届出書を提出した場合には、3月支給分までを4月10日までに納付(1月~2月分は、納期特例分の所得税徴収高計算書を使用し、3月以降は一般分の所得税徴収高計算書を使用)し、4月支給分以降は翌月10日までに納付します。 

  • 2015年 11月 『建物の賃貸借契約書と印紙税』

    • 今月のトピックス H27




       建物の賃貸借契約書には、印紙税はかかりません。建物の賃貸借契約書の中には、その建物の所在地や使用収益の範囲を確定するために、敷地の面積が記載されることがありますが、このような文書も建物の賃貸借契約書であるとして印紙税はかかりません。しかし、その敷地についての賃貸借契約を結んだことが明らかであるものは、「土地の賃借権の設定に関する契約書」に該当します。
       また、貸しビル業者などが、ビルなどの賃貸借契約又はその予約契約を締結する際などに、そのビルなどの賃借人から建設協力金又は保証金などの名目で一定の金銭を受け取り、そのビルなどの賃貸借期間に関係なく一定期間据置き後、割賦償還することなどを約する場合がありますが、このような建設協力金又は保証金などの取り決めのある建物の賃貸借契約書は「消費貸借に関する契約書」に該当しますのでご注意ください 

  • 2015年 12月 『印紙税 写しなどと表示された契約書の取扱い』

    • 今月のトピックス H27


       契約書は、契約当事者が相手方当事者に対して成立した契約の内容を証明するために、各契約当事者が1通ずつ所持するのが一般的です。この場合、契約当事者の一方が所持するものに正本などと、他方が所持するものに写しなどと表示することがあります。しかし、写しなどと表示された文書であっても、概ね次のような形態のものは、契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかなため、印紙税の課税対象になります
      (1) 契約当事者の双方又は文書の所持者以外の一方の署名又は押印があるもの
      (2) 正本などと相違ないこと、又は写し、副本、謄本等であることなどの契約当事者の証明のあるもの
       なお、所持する文書に自分だけの印鑑を押したものや契約書の正体を複写機でコピーしただけのものは、課税対象とはなりません

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